十二指腸潰瘍から腹膜炎に!?
十二指腸潰瘍を放置したりして悪化すると、激痛と共に腹膜炎となり、命の危険さえある!という話をよく耳にします。
十二指腸潰瘍を悪化させると、なぜ腹膜炎になるのでしょう?そしてその治療法とはどのようなものなのか、調べてみました!
<十二指腸潰瘍を悪化させると
腹膜炎になる?>
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜が弱まった部分が胃酸などによって攻撃され、潰瘍状態になったものを言います。
軽いものでしたら、自然に治癒することもあるようですが、放置したことにより十二指腸に穴があいてしまうことがあります。
そうなると、胃や十二指腸で消化中の食べ物が十二指腸にあいた穴から流れだし、腹膜が胃酸などで刺激され、腹膜炎になってしまうのです。
また、腹膜の一部に腹膜炎が起きると、腹膜の一部が痛み、腹膜炎が腹膜全体に広がると腹部全体から激しい痛みを感じるようになります。
十二指腸は胃よりも組織の壁が薄い為、胃潰瘍よりも十二指腸潰瘍のほうが臓器に穴があくことが多く、腹膜炎の70%が十二指腸潰瘍の患者さんだと言われています。
<十二指腸潰瘍から腹膜炎に
なった場合の症状とは?>
十二指腸潰瘍を悪化させ、腹膜炎になると、突然激しい腹痛に襲われ、腹部を押すと硬くなっていることが分かるそうです。
また、嘔吐や冷や汗が出て頻脈になり、腹部は麻痺性腸閉塞を起こし、膨らんでくるそうです。
更に細菌感染により敗血症となり、次第にショック状態になります。早急に処置しないと命の危険もありますので、すぐに病院に行きましょう。
<十二指腸潰瘍から腹膜炎に
なった場合の治療法とは?>
かつては、十二指腸潰瘍から腹膜炎になった場合、すぐに手術され、広範囲に胃の切除が行われてきたそうです。
しかし今では、腹腔鏡技術の進歩により、十二指腸にあいた穴をふさぎ、腹腔を洗浄、廃液することにより、開腹手術をするのと同様の治療成績を上げるようになったそうです。
この方法ですと、術後の体への負担も軽く、入院期間も短くなる為、今や多くの病院で採用されているそうです。
但し、回復の速さゆえに、患者側が「大したことなかった」と軽く考えがちで、術後の薬の服用を中断してしまう患者さんが多いそうです。
いくら医療技術が進歩しても、医師の指導の元、きちんと服薬しないと、十二指腸潰瘍をぶり返し、再び腹膜炎になってしまう可能性もあります。
くれぐれも自己判断はせず、きちんと医師の指導に従い、完治を目指したいものです。