十二指腸潰瘍が変形する!?
バリウム検査を受けた後、十二指腸潰瘍で十二指腸が変形している(十二指腸球部変形)と指摘されたことはありますか?
十二指腸球部って、どのあたりを指すのでしょう?そしてこの変形、何か重大な病気の前兆なのでしょうか?
また、なぜバリウム検査で発見されるのでしょうか? 様々な疑問について調べてみました!
<そもそも十二指腸球部ってなに?>
十二指腸球部とは、十二指腸の一番胃に近い部分のことを言うそうです。
人は食べ物を食べると、口から始まり、食道、胃、十二指腸と食べ物が流れながら消化・吸収されていきます。
その十二指腸の胃との境界である幽門を通ってすぐの部分が、少し丸みを帯びている為「球部」と言われているそうです。
この十二指腸球部は、胃に近い為、胃酸が流れてくることが多々あり、十二指腸の粘膜が弱まっていると潰瘍を生じやすい部位になります。
十二指腸潰瘍も多くがこの十二指腸球部に多発していることからも、それが伺えますね。
<なぜ十二指腸潰瘍からの十二指腸の変形は
バリウム検査で発見されるの?>
バリウムを飲み、直立した状態で十二指腸球部を観察すると、通常は三角形の形に見えるものが、三角形にならないことで判明するそうです。
また、バリウムを飲むと、変形した部分にバリウムが溜まるようなくぼみが出来る為(=ポケット形成)、ここからも判明することがあるようです。
この検査結果を受け、医師は検査の結果表に「十二指腸球部変形」と記載するようです。
ただ、バリウム検査では、それが十二指腸潰瘍になった後なのか、現在なっているのかまでは分からないらしく、更なる調査が必要のようです。
<十二指腸潰瘍からの十二指腸の変形は
何故起こるの?>
十二指腸潰瘍が出来て、それが治る際、潰瘍のあった部位は多少引きつれた状態になるそうです。
胃は筋肉が厚い構造になっている為、粘膜には引きつれが生じたとしても、筋肉のお蔭で胃に引きつれが起こることはありません。
ただ、十二指腸は筋肉の層が薄い構造になっている為、粘膜が引きつれると、筋肉も引っ張られ、全体の形が変形してしまうそうです。
こうして十二指腸潰瘍から十二指腸の変形が起きてしまうと言われています。
また、十二指腸潰瘍が進みつつある場合も、変形が起こるとも言われています。
<十二指腸潰瘍による十二指腸の変形は
病気のサイン?>
十二指腸潰瘍による十二指腸球部の変形だけでは、あまり心配はいりません。
ただ、胃や腹部に痛みを感じるような自覚症状が出ている場合は、十二指腸潰瘍になる可能性が高いですので、内視鏡検査など詳しい検査を受けるようにしましょう。