その貧血、十二指腸潰瘍かも!?
貧血といえば、女性の20%が貧血患者、と言われるほど、女性に多いようですが、最近は男性の貧血患者も多いそうです。
その原因が、十二指腸潰瘍・胃潰瘍・胃がん・大腸ポリープ・大腸がんなど、穏やかでない病名であることが多いようで注意が必要です。
なぜ貧血になるのか、そして病気による貧血の見分け方とはどのようなものなのか、見てみましょう。
<貧血はなぜ起こるの?>
十二指腸潰瘍と貧血の関係の前に、まずは貧血になるメカニズムを探ってみましょう。
貧血は、血液の赤血球の中にある、ヘモグロビンという体の組織に酸素を運ぶ役割をする血色素が減少したために起こる症状です。
ヘモグロビンが不足すると、様々な組織が酸欠状態になる為、顔色が悪くなったり、全身倦怠感や立ちくらみ、動悸、息切れなど様々な症状を起こします。
女性の場合は、月経や婦人科系の病気(子宮筋腫や子宮内膜症)で出血が多くなることが多い為、鉄欠乏性貧血の場合が多いようです。
しかし、男性の場合は、十二指腸潰瘍や胃潰瘍、がんやポリープによるもので知らず知らずに出血し、貧血になることが多いようです。
貧血の症状が酷い場合は、上記以外にも、再生不良性貧血や溶血性貧血といった、非常に深刻な場合もありますので、病院で診察を受けることをお薦めします。
<病気による貧血の見分け方とは?>
それでは、十二指腸潰瘍などの病気による貧血かどうかの見分け方について見てみましょう。
実は貧血は、気付かないうちに下血していることが原因であることが多く、その多くは便に血が混じることで発覚します。
以下の便を放っておくと、大量出血や血圧低下、不整脈などが起き、意識がもうろうとしたショック状態になったりし、命に係わることがありますので、是非チェックしてみて下さい。
1.黒い便(コールタール便)
食道や胃、十二指腸など上部消化管からの出血が考えられます。便が黒くなるのは、出血した血液が胃酸や消化酵素によって黒くなり、それが便と混ざることによってタール便となる為です。
2.赤褐色から鮮紅色の便
肛門に近いところからの出血が便に混ざっていると考えられます。痔であることも多いですが、重大な病気が潜んでいる可能性があります。
どちらの便にせよ、出血している原因を突き止めない限り、貧血は収まりませんし、放置することは重大な病気を見逃すことになり、非常に危険です。
男女ともに「たかが貧血」と放置せず、しっかり検査を受けて、きちんと治療し、健康な生活を維持しましょう。