空腹時に痛む十二指腸潰瘍の治療法は?
十二指腸潰瘍は、空腹時になると、みぞおちから上腹部右側辺りに激しい痛みが起こり、食事をすると一時的に治まる症状が特徴的と言われる病気です。
空腹時は胃の中に食べ物がないので、分泌される胃酸がダイレクトに十二指腸の潰瘍部を攻撃することで、痛みが生じるそうです。
従って、胃の中に食べ物を入れる、つまり何らかの食事を取ると、胃酸が中和され、痛みが取れるというメカニズムなのです。
とはいえ、就寝中のように、常に何か食事を取れるとは限らない場合もあります。そのような時、どのような治療法で痛みを軽減すれば良いのでしょう?
<空腹時の十二指腸潰瘍の痛みの治療法
その1:薬の服用>
まずは、薬物療法です。空腹時の十二指腸潰瘍の痛みには、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬といった、胃酸の分泌を抑える薬が多く使用されます。
他には制酸薬・副交感神経遮断薬・粘膜保護薬なども使用されることが多いです。
これらの薬は、服用するとかなり短時間で症状が改善するので、自己判断で薬の服用を止めてしまう方が多いそうです。
ピロリ菌の除菌同様、完全に治るまで自己判断はせず、医師の指導に従って服用することが大切です。
<空腹時の十二指腸潰瘍の痛みの治療法
その2:食事療法>
空腹時の十二指腸潰瘍の際は、何か食べ物を取らなくては!と焦る気持ちもありますが、痛みの激しい時は食事どころではないと思います。
また、その場しのぎで食事を取るやり方ですと、就寝中など、食事を取れない時は困ることになります。
なので、ここで食事療法として根本的に食事を考えることが重要になります。
まず、主食は柔らかめのおかゆやパン、麺類などにし、おかずは消化の良いものを食べるようにします。
また、海藻のヌルヌル成分の中に含まれる多糖体「フコイダン」は、潰瘍の原因菌であるピロリ菌を減らす抗腫瘍作用があるそうで、出来てしまった潰瘍の修復や、胃・十二指腸の障害(胃痛)などの予防に役立つそうです。
わかめの味噌汁やもずくなどを積極的に取ることもお薦めです。
また、一度に多くの量を食べると、胃や十二指腸に負担を掛けるだけでなく、胃酸が多く出ることになりますので、なるべく一度に食べる量は少なくし、回数を多くするようにしましょう。
香辛料や炭酸飲料は胃を荒らす元になりますので、極力控え、タバコ・アルコール・コーヒーなどは取らないようにします。
ある程度空腹時になっても、十二指腸潰瘍が痛まなくなってきたら、上記の方法はそのまま続行しつつ、規則正しく食事を取るようにし、胃酸の過剰な分泌を避けるようにしましょう。