尿路結石に効く漢方薬とは?!
尿路結石の治療には、西洋医学に基づく薬を処方されることが多いですが、漢方薬でも有効な薬があります。
ただ、漢方薬の場合は、西洋医学のような効き目の「即効性」ではなく、内側からゆっくり治療していく傾向があります。
よって西洋医学では、衝撃波で尿路結石を砕き、細かくしてから尿と共に体外に排出させたり、切開して結石を取り出す手術が行われます。
しかし漢方では、煎じ薬で鎮痛を図り、結石を溶かして利尿するという、自然排出を試みます。もちろん西洋薬との併用も出来る優れものでもあります。
それでは、尿路結石の治療に使われる漢方薬について、詳しく見てみましょう!
<尿路結石に効く漢方薬 その1:猪苓湯(ちょれいとう)>
効能:尿路結石に伴う排尿不快感の軽減、排尿痛を軽減する効果があります。
猪苓湯(ちょれいとう)はチョレイマイタケという菌から作られており、尿路結石に伴って排尿痛や残尿感、排尿困難などの排尿時の障害に効果がある漢方薬です。
排尿痛がある時は、猪苓湯だけでなく、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を併用することもあるそうです。
また、尿路結石の激痛には、西洋薬の鎮痛薬や消炎鎮痛剤を併用することも多いようです。
医療用の猪苓湯製剤では、排石促進効果もある為、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の後に排石促進のために服用するという、組合せ療法もよく行われているようです。
<尿路結石に効く漢方薬 その2:五淋散(ごりんさん)>
効能:結石症や膀胱炎での強い排尿痛を軽減する効果があります。
五淋散(ごりんさん)は、猪苓湯で処方する症状よりも尿の色が濃く、排尿痛も強い場合に服用する漢方薬です。
漢方用語でよく使われる「淋」の文字には、尿意が強く、排斥痛や残尿感、尿路やわき腹、背中などの痛みを伴うという意味があるそうです。
五淋散は、尿路結石だけでなく、膀胱炎、尿道炎にも効果がある漢方薬として、利用されることが多いようです。
<尿路結石に効く漢方薬 その3:芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)>
効果:結石症の痛みを軽減する効果があります。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、尿路結石の激しい痛みの時に、猪苓湯や五淋散と併用されることが多い漢方薬です。
芍薬甘草湯は、尿路結石などの激痛が続く場合に、西洋薬の鎮痛薬同様、頓服薬として数時間おきに使用することが多い漢方薬と言われています。
芍薬甘草湯は効果がありますが、長く使用するとむくみや血圧上昇などの副作用がある為、痛みが軽減したら使用を中止するようにしましょう。
<尿路結石に効く漢方薬 その4:ウラジロカシ(商品名:ウロカルン)>
効果:排石を促進する効果があります。
ウラジロカシは、カシの木の葉っぱであり、その葉の裏が白いことから「ウラジロカシ」と呼ばれているそうです。
ウラジロカシの葉は、結石形成抑制作用や結石排出促進作用、利尿作用や消炎作用があると報告されています。
昔から民間薬として親しまれており、尿路結石の結石を尿と共に体外に排出する効果があるそうです。
このウラジロカシは30gを600mlの水に入れ、15分間弱火で煮出し、お茶代わりに飲まれることが多く「ハイセキ茶」として親しまれているそうです。
ウラジロカシから抽出したエキスを使った、医療用漢方薬の「ウロカルン」は、尿管結石の排石促進薬として使用されているそうです。