尿蛋白が検出されるとクレアチニン値も高い?
突然ですが、『クレアチニン』という名前をご存じですか?クレアチニンとは、筋肉内でエネルギーを放出する際に出来る、たんぱく代謝の副産物です。
健康であれば、血液中のクレアチニンは、腎臓の糸球体でろ過され、尿細管では再吸収されずに尿として排泄されます。
このクレアチニンの値が高いと、尿蛋白が検出される確率が高いと言われています。尿蛋白とクレアチニンには、どのような相関関係があるのでしょう?
<尿蛋白とクレアチニン値の相関関係とは?>
尿蛋白もクレアチニンも、腎臓内の糸球体でろ過されますが、尿蛋白は尿細管で再度吸収される為、尿内にはほとんど排出されません。
しかしクレアチニンは、ろ過された後、尿細管ではほとんど再吸収されず、尿内に排出されます。
何らかの原因で、腎臓のろ過機能低下が起きると、クレアチニンは尿に排出されず、血液中に溜まっていきます。
逆に、尿蛋白はろ過機能低下が起きると、尿細管では再吸収されず、そのまま尿内に排出されてしまうのです。
つまり、尿蛋白が尿内から、クレアチニンが血液中から検出される量が多いと、腎臓のろ過機能が低下していることを表しているのです。
<クレアチニン値の基準値とは?>
尿蛋白とクレアチニンには相関関係があることが分かりましたが、具体的にクレアチニン値の基準値とはどのようなものなのでしょう?
クレアチニンの血中濃度は、年齢や性別によって変わりますので、eGFR(推算糸球体ろ過量)という計算方法で算出します。
☆クレアチニン値の基準値☆
男性:0.6〜1.1mg/dl
女性:0.4〜0.7mg/dl
人工透析が必要となる値:8.0mg/dl以上
クレアチニン値は、腎臓機能の低下に伴って値が高くなります。尚、逆にクレアチニン値が低い場合は、尿崩症、筋ジストロフィーなどが疑われるようです。
<尿蛋白とクレアチニン値の検査方法とは?>
尿蛋白の検査方法は、自宅で出来る『尿蛋白試験紙』が薬局で販売されていますので、そちらで確認することが可能です。
とはいえ、診断結果を良いほうに解釈してしまうことも多く、病気の前兆であることを見逃す可能性があります。
よって、正確に判断する為には、尿蛋白・クレアチニン値共に病院や健康診断、人間ドックなどできちんと検査したほうが良いでしょう。
尚、尿蛋白やクレアチニン値が高い場合、腎臓病の可能性も高く、糖尿病や脳梗塞などと合併症になる可能性も多いので、十分注意するようにしましょう。