『吐血性心不全』は『虚血性心不全』の間違い?
『吐血性心不全』という病気をご存じですか?実は吐血するのは消化器系の疾患が原因ですので、心不全には直接結びつきません。
よって、吐血性心不全という医学用語は存在しないそうです。
しかし、消化器系の疾患があり、吐血して亡くなったけれど、明確な死因が分からない時は、俗称として『吐血性心不全』ということがあるようです。
そもそも心不全は病気の原因ではなく、結果を指すものであり、明確な死因が不明の場合は、とりあえず心不全にしてしまうことがあるそうです。
そんな吐血性心不全ですが、きちんとした医学用語で『虚血性心不全』というものもあるようです。
吐血性心不全は虚血性心不全の書き間違いで広がったのでしょうか?それとも別のものなのでしょうか?
<『吐血性心不全』は『虚血性心不全』の間違い?>
虚血性心不全とは、心臓に送られる血液の供給が減少したり、途絶えたりすることで発症する心不全を言うそうです。
虚血性心不全は主に『心筋梗塞』や『狭心症』を指し、心筋梗塞は血栓で冠動脈が詰まることで発症し、狭心症は冠動脈が何らかの原因で狭くなり、血液が流れにくくなって発症します。
虚血性心不全の虚血とは、血がない状態を指し、虚血性心不全になっても突然心臓は止まらず、徐々に心臓の働きが停止し、死に至ります。
よって、消化器系の病気で吐血したものの明確な原因が不明な吐血性心不全と、心臓に血が行かなくなることが原因の虚血性心不全は全くの別物だと言えます。
ただ、吐血性心不全と虚血性心不全は、どちらも前兆の症状がほとんどない場合が多く、突然襲ってくる病気のようです。
特に心筋梗塞で壊死した心筋は元に戻らず、心不全や不整脈を伴うと、死亡率が40%と高くなります。
虚血性心不全と吐血性心不全は、共に普段の生活を改善することがこれらの病気を避ける一番の方法といえそうです。
<虚血性心不全と吐血性心不全を防ぐ方法とは?>
虚血性心不全や吐血性心不全は、生活習慣病を持ってる方に発症しやすいと言われています。
主な生活習慣病としては、高血圧、糖尿病、たばこや飲酒、肥満、動物性食品の過剰摂取や脂質異常があり、これらが引き金になることが多いようです。
突然死の中で一番多い死因は急性心臓病ですが、その急性心臓病の大半が虚血性心不全だと言われています。
虚血性心不全や吐血性心不全は、仕事や家庭が忙しく、ストレスが溜まりがちな40代、50代の発症率が高くなっているようです。
これらの年代に当てはまる方は、虚血性心不全や吐血性心不全を防ぐ為に、一度生活習慣を見直し、年に1度は健康診断や人間ドックを受診することで早期発見・早期治療を心がけましょう。